ガンヒルの決斗 オクラホマ州の小さな町。保安官マット(カーク・ダグラス)は怒りと困惑にうち震えた。妻を殺した犯人の馬の鞍の“CB”の文字。間違いなくガンヒルの大牧場主で、旧友のクレイグ(アンソニー・クイン)の物だった。彼はガンヒルに向かい、クレイグの息子リックが犯人であることを突き止めた。許しを請い見逃してくれるよう頼むクレイグ。有力者クレイグのためマットを妨害する町の人々。法の裁きを受けさせるため復讐心を捨て、たった一人で犯人リックとホテルに立てこもるマット。やがてガンヒル発最終列車の時間が近づいてきた・・。「OK牧場の決斗」「荒野の七人」「大脱走」など、骨太な男の世界を撮らせると天下一品のジョン・スタージェスによる決斗三部作の最終作。カーク・ダクラスの鬼気迫る演技も特筆ものだが、クインの圧倒的な存在感もたまらない。駅構内での決斗シーンは西部劇史に残る名シーン。クインの最後のセリフは、子供を失った悲しみとカーク・ダグラスへの友情を込めたもの。緊迫感あふれる演出、両雄の演技で文句なしに楽しめる一本だ。 (1959年/アメリカ) 監修:水野晴郎