黒田徹氏設計 超高性能MC専用プリアンプ
商品説明
数多くのアナログ回路やアンプの設計に関する書籍、トランジスタ技術誌の記事の
執筆等をされている黒田徹氏設計のプリアンプの自作品です。
動作は特に問題無く、出音正常です。
ボリュームやセレクターのガリもありません。
黒田氏に関しては、上記書籍等でご存じの方も多いと思われますが、
70年代~80年代にかけては、ラジオ技術誌に於いて、数多くの高性能アンプの
製作記事を発表されておられました。
本プリアンプはその内1984年1月号に掲載された「超高性能MC専用プリアンプ」
を当方が当時製作した物です。
出品は画像の物が全てです。(アンプ本体)
回路その他詳細については、当時の製作記事のコピーをお付けいたします。
外観は傷や経年による劣化がございます。
また、あくまでアマチュアの自作品です。
当時は今のように、ネット通販やホームセンター等もほとんど無く、
素人が電動工具を持つのは一般的ではありませんでした。
ケース加工はほぼ手動工具(金ノコ、手回しドリル、シャシーパンチ)使用です
ので、仕上がりはアマチュアの工作レベルです。
市販品レベルのお品をご希望の方は入札をご遠慮願います。
ただ配線の引き回しや、ノイズ防止のシールド等はほぼ製作記事に忠実に
作ってありますので、電気的には問題無いと思います。
回路構成としては、MC専用イコライザーアンプ+0dBバッファアンプという構成
です。
(画像9枚目が記事中の図です。但し古い雑誌とはいえ、そのまま載せるのは
マズいので、回路図中のTr名や定数は伏せてあります。)
これは、通常一般的なパワーアンプの入力感度は1Vですので、それに必要なゲイン
を全てイコライザーアンプに持たせ、またCD等の最大出力は元々2Vありますので、
フラットアンプはゲイン1の0dBバッファで十分という考えで、従来のプリアンプの
ように、わざわざ入力を絞った後、10数dB増幅しS/Nを悪化させる(もしくは残留
ノイズをダウンさせるためパワーアンプの入力ボリュームで再度ゲインを絞る)
という無駄を排除するコンセプトからです。
個別に見て行くと、
イコライザーアンプは画像のようにディスクリートとオペアンプICのハイブリ
ッド構成です。
オペアンプ使用と言うと手抜きのように誤解される方もいると思いますが、
これは、MCイコライザーに於いては何より低雑音、すなわちS/Nこそ再重要との
考えから、各増幅部に最適な設計をした結果です。(初段に差動増幅器を使わない、
ゲインは欲しい、DCドリフト排除等)
フラットアンプ部も同じくハイブリッド構成です。
0dBバッファと言うと2~6石のエミッタフォロアやソースフォロア、もしくは、
オペアンプICのボルテージフォロアが良く使用されますが、本機は回路図のように、
ソースフォロア+エミッタフォロアのバッファアンプの間にオペアンプを挿入した
非常に独創的な回路となっています。
見方を変えると、オペアンプICのボルテージフォロアの電源端子をバッファアンプ
の終段エミッタフォロアでドライブするというコロンブスの卵的発想で、
これにより、オペアンプ内部の各TrのCobによるミラー効果をキャンセルし、高域の
直線性が飛躍的に向上し、通常周波数に伴い悪化する歪み率を大幅に削減し、
スルーレートも大幅に向上します。
図のように歪み率は、100Hz,1kHz,10kHz全て0.0001%台の超低歪みです。
ゲイン1倍だから当然と思われるかもしれませんが、それを考慮に入れても非常に
高性能であると思います。
特に高域の歪みは単なるボルテージフォロアに比べ、大幅に向上しているのが
分かると思います。
イコライザーアンプの方も同様に0.0001~0.0005%の超低歪み率となっております。
画像10枚目はオーディオアナライザー(Panasonic VP-7722A)で、実測した
バッファアンプの歪み率です。
画像の左が全歪み率(THD+N)で赤が1kHz、青が10kHzです。
(Lchもほぼ同じなのでRchのみです。100Hzも1kHzと変わらないので省略)
製作記事に比べて数値が悪いですが、理由はアナライザーの残留雑音、残留歪みの
影響です。
黄色とオレンジがアナライザーの入出力直結時の値(残留歪み)で、全歪み率
(THD+N)の場合は、測定アンプ自体が低ノイズでもそれが直結時の値にプラス
されますので、このようになります。
右はノイズを除去した高調波歪みだけのグラフですが、
こちらはほぼ、アナライザーの残留歪みと変わらない値が出ております。
VP-7722Aはこのクラスのアマチュアが使える機器の中では最も低歪みの測定器
だと思いますが、当アンプには力不足のようです。
(中古ですが、残留歪みはカタログ値をクリアしております。)
ちなみに黒田先生は、当時アンプの測定に、独自に超低歪みの発振器と歪み率計を
自作されて測定されていたと記憶しております。
以上のように、理論派の黒田氏らしく、予断を排して理詰めで性能を徹底的に
追求したアンプです。
尚、MC専用フォノイコライザーですので、MMカートリッジは使用できません。
ご注意願います。
(これも音質優先の為、敢えてMMは切り捨てというコンセプトです。)
音に関してはあくまで個人の感想ですが、余計な色付けの無い、無色透明
と言った感じです。
プリアンプによる色付け、艶や響きと言ったキャラクターを好まれる方には
不向きかもしれません。
兎に角設計の狙い通り、実使用でのS/Nが非常に良く低ノイズです。
市販アンプも色々使っておりましたが、MCカートリッジ使用時これほど
雑音が少ないアンプはありませんでした。(S/Nだけならトランスが最高ですが、
それはまた別のデメリットがありますので。また最近の何百万もするアンプは
縁が無いので分かりません。)
高能率のスピーカーやヘッドフォンでMC使用時の残留ノイズが気になる方、
レコードを高音質、高S/Nでデジタル化したい方におすすめです。
注意事項
※出品物はあくまで中古品です。見落としたり画像に写っていないキズ
や汚れ等がある場合がございます。
また商品の状態については個人の主観により評価は大きく異なりますので、
少しでも気になる方は入札をご遠慮願います。
音が出ない、明らかに異常なノイズ、歪み等、致命的な欠陥以外はノークレーム・
ノーリターンでお願い致します。
以上の事に同意いただける方のみご入札願います。
尚、新規の方、悪い評価の多い方は当方の判断で、入札をお取り消しさせて
いただく場合がございます。ご了承下さい。
こちらの商品案内は 「
■@即売くん5.80■
」 で作成されました。
(2024年 12月 20日 21時 32分 追加)
MC専用と言うのはフォノイコライザーアンプに関してです。 勿論CDやチューナー、DAコンバーター等のラインレベルの機器用の入力もございます。 またボリューム、フラットアンプ(バッファアンプ)を通らない REC OUT出力もございます。