★商品説明★ 柴田錬三郎著 「徳川太平記(上・下)吉宗と天一坊」 集英社文庫

 「徳川太平記(上)吉宗と天一坊」  2007年 11月 文庫2刷
 「徳川太平記(下)吉宗と天一坊」  2007年 11月 文庫2刷

     定価    857円、838円+税  550頁、532頁

★著者略歴★  1917年~1978年、岡山県生れ。慶応大学文学部卒。在学中「三田文学」に処女作「十円紙幣」を発表。戦後編集者生活を経て、1951年「イエスの裔」で第26回直木賞受賞。1931年より、「眠狂四郎無頼控」の連載で一躍人気作家となる。昭和45年「三国志 英雄ここにあり」で吉川英治文学賞。代表作、眠狂四郎シリーズ。

★作品内容★  徳川家中興の祖といわれる八代将軍吉宗。母は身分が低かった上、4男で紀州藩主に付くこともおぼつかなかった、新太郎(頼方・吉宗)が短い間に藩主や兄達も亡くなり、紀州藩主に付き、さらには跡継ぎに居なくなった徳川家の将軍位争いで、ライバルの尾張家の跡継ぎが次々に死んだので、陰謀説なども多く書かれているが、ともかく、徳川家を立て直し、お庭番を創設し、名奉行大岡越前なども取り立て、さらには”暴れん坊将軍”でTVなどでも大活躍した吉宗は、徳川家歴代将軍の中でも人気ナンバー1だろう。とにかく本書では、吉宗の青年時代から書き起こし、後の天一坊事件に至る青年時代の恋や、冒険が上巻の中心。5代将軍綱吉が治めて江戸時代最初の文化の花咲いた元禄時代を背景に、紀文や若き大岡忠助、天一坊事件の陰幕・山内伊賀之介などを絡ませ物語は進む。当然、この時代のトピック、生類憐みの令や、浅野匠の守の松の廊下の刃傷から浪士の吉良亭討ち入りまでも、含まれ描かれる。上巻では吉宗が紀州藩主になり綱吉が亡くなり、6代家宣が生類憐みの令を廃し、善政をしいたところまで。
 豪商紀文の元から、僧房に移り15歳と成った天一坊は、競い馬の相手の姉を攫い犯し、勝利を得て、師まで斬り殺して悪逆の限りを尽くす。そして、山内伊賀亮と知り合うが、再び僧房に捉えられ己の有様を改心する。けれど、運命の波に流され、再び伊賀亮に守り立てられ、八代将軍吉宗の御落胤として江戸を目指す事になる。江戸では、綱吉の時代の悪政、それを改めようとしていたが、薄命の6代、幼い7代と幕府存亡の危機にあったが、吉宗は大岡越前の智恵を借り、幕府を立て直そうとしていた。徳川幕府中興の祖と言われる吉宗と。ご落胤といえば天一坊というくらいの一大事件の顛末。もちろん著者が著者だけに、物語性も豊か。

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