パイオニアのパッシブスピーカー「S-A3-LR」です。
以下の整備を施しています。
・ ネットワークの調整
・ 配線の引換え
・ バインディングポストの交換
ディバイディングネットワークを次の通り調整しています。(写真8枚目右下)
- LF回路の5.6μF電解コンデンサをJantzenAudio製に交換。
- 上記に1.0μFのPETフィルムコンデンサを追加し容量を増補。
- HF回路に固定アッテネータを挿入。
- 1kHz付近を抑える共振回路を新規構築。LF回路に挿入。コイルは空芯、コンデンサはエルナー製を採用。
上記に伴い、既存の配線の一部を新しく引き直しています。
ウーファー用はオーディオテクニカの14AWG相当のOFCスピーカーケーブルを採用しています。
背面のバインディングポストは、新しいものに交換しています。(写真8枚目左下)
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キャビネット外観は、天面と側面に小さな打痕があります(写真6、7枚目)。擦り傷はかなり少なめで美品の部類です。
前面ネットにも穴や剥がれは無く綺麗です。
片方のウーファーのセンターキャップは、潰れの修正跡が若干残っています。
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パイオニアのホームシアターシステム「Aシリーズ」の、ブックシェルフ型2ウェイスピーカーです。
総突板仕上げのMDFキャビネット、バッフル裏面のブレース付加、アルミダイカスト製のツイータープレート、HF回路にフィルムコンデンサを採用など、コスト削減が推し進められた2000年代の製品としては物量を投じられています。
サラウンド用途を想定しているものですが、ステレオメインも担えるしっかりとした仕様です。
音のバランスはやや右肩上がり。制動の効いた引き締まった音です。
そのままでは高音の主張が目立つため、フィルターにより中高音を抑えてフラットに持っていく調整をしています。既存のネットワーク回路は最小限の調整とし、新たに回路を構築して既存と連携するようにしています。
ハイコストパフォーマンス機といえます。
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主な定格
・ 2ウェイ2スピーカー/バスレフ型/防磁設計
・ 寸法:175W x 388H x 243D mm
・ 重量:6.4kg
・ インピーダンス:6Ω
・ 再生周波数帯域:42Hz~38kHz
・ 出力音圧Lv:86dB/W(1m)