イギリス、ヴィクトリア時代のK9(ソリッドゴールド)ハットピン(クラヴァットピン)の針部分をそのまま丸カンに転用して加工したペンダントトップ。
なかなかオリジナルの台座に載ったアンティークのムーンストーンも見つけづらくなっています。
ムーンストーンに限ったことではありませんが、台座の載せ替えのみでなく、このような元がピンのタイプは、現行品もしくはヴィンテージリングのほかアンティークリングやウェディングバンド等のウデを付けてオリジナル風味のリングに作り変えたものも散見されます。
きちんと説明をされているジュエラーもありますが、リングのウデ部分に年代等を示す刻印があっても、リング部分を付け替えている場合には、当然ですがウデの刻印は台座や石とは無関係ですので刻印の意味はありません。
ハットピン自体の需要がアンティークの時代とは異なりますので、現代で使用しやすいリングやペンダント等の形態に作り変えられることの多いアイテムであり、別途出品中のムーンストーンのムーンフェイスのハットピンはなかなかのレアアイテムになっています(ピンのままでも、現代でもジャケットの襟にピンブローチとして身に着けられます)。
丸カン部分は大きめですので、太めのチェーンも通しやすいです。
ムーンストーンは内包物や傷もなく、地色は無色透明です。
センターにやや太めのキャッツアイ様の淡青色のアデュラレッセンス(ムーンストーン特有のシラー、キャッツアイのソーティングはなし)が出ます。
少し上に傾けると中央に白っぽい鋭いキャッツアイがかなり強く出ますが、手持ちのソーティング付きのキャッツアイムーンストーンと比較しても一番はっきりとしたキャッツアイです(キャッツアイムーンストーンは中央以外のソーティングですが、そちらはいわゆるA鑑=AGL加盟鑑別機関ではなく鑑別基準が不明です。A鑑はGIAとは別の日本の鑑別基準を共有する団体です。名称の通り本部がアメリカのGIAは加入していませんので基準は異なりますし、実際にGIAとA鑑とそれ以外では同一の石でも詳細な鑑別結果が異なることがあります。キャッツアイムーンストーンのソーティングを出した機関は鑑別不能の石がいくつか出ていて、中央で半貴石の鑑別が出た石にコランダムの鑑別結果が出たこともあり、不安定な印象があります。ムーンストーンの鑑別に限っても、現代では別種のラブラドライトが比較的透明でブルーの出るムーンストーンとして販売されていることが多いですが、そちらの鑑別機関では当方が依頼した段階では同一の石において両者区別なくいずれのソーティングも発行可能となっています)。
カットも贅沢な高さのある(7mm位)カボションカットで、カラット数もあります。
裏側は角度によって一面に鏡面のような淡いブルーのシラーが出ます。
高品質のムーンストーンです。
トップの大きさは、18.02 mm × 10.34 mm。
中央宝石研究所のソーティング付属。
何かありましたらご質問下さい。