■小宮四郎國光■
日本刀
銘文 (表) 三池住 四郎國光作之
(裏) なし
刃長 78.3cm
反り 1.9cm
元幅 3.7cm
元重ね 0.8cm
先幅 2.6cm
先重ね 0.6cm
目釘 1個
昭和五十七年二月三日 制作承認
昭和五九年参月拾五日 登録
鞘付き
【写真1】
中心に記された銘には先代 四郎國光の書体と思われる特徴が見られます。
左は先代四郎國光と國治(前当主)の合作、中は出品した刀、右は当代四郎國光の作に記された銘です。
『國』の字の部首『口』(くにがまえ)を比較すると、左と中のものは←が示す部分が凹んだような形になっていますが、右のものにはその特徴が見られません。
それ以外の文字を比較しても、右のものは若く、左と中のものは『郎』の字の崩し方を含め、枯れた味わいがあります。
又、先代の銘は中心の右側に寄せて、当代の銘は中央に描かれている。
先代の銘は『四』字の部首『口』の下部が『國』同様膨らんでいるが、当代の銘は反っている。
同じく『四』字の部首『口』の左上が先代の銘では外側にはみ出しているのに対し、当代の銘は隙間がある。
『光』の部首『儿』の上部が先代の銘では間隔が非常に狭く、当代は広い、という点も出品した刀が先代の作と信ずるに足る根拠です。
※写真左右は比較のための参考画像です。
出品した商品は中央の一振のみとなります。
【先代 小宮四郎國光】
明治27年3月20日生~昭和61年1月没
昭和天皇の佩刀も製作し、三池天太光世の流れを汲む。
藩政時代は筑後柳川藩立花家のお抱え鍛冶を勤め、水心子正秀門人帳にも名を連ねるほどの名門である。
昭和14年刀剣試し斬り審査が行われた際、斬れ味が最も優れていたと伝えられ、数百年もの長きに渡って日本一と評されてきた名刀虎徹をも破り古今随一、『今虎徹』と賞賛された。
中山博道先生も『長曽称虎徹に優るとも劣らない斬れ味』と絶賛。
【略歴】
昭和14年 文部大臣賞受賞
同年 全国日本刀試斬大会にて中山博道師範の試斬により第一位となる
昭和15年 文部大臣賞 特選
同年 鍛冶総匠となる
同年 第6回日本刀展出品刀の中から選ばれ天皇陛下に奉献される
昭和16年 最高名誉賞受賞
同年 平和祈願刀鍛練
昭和17年 平和祈願刀完成 天地丸と命名
昭和19年 国工院会員 権大宗匠となる
昭和29年 講和記念刀 鍛練
昭和44年 清水寺奉納刀(刃渡三尺大業物)鍛錬
昭和53年 鍛練道場復活
【叙勲】
昭和54年 日本国政府より木杯賜与
同年 福岡県文化功労賞受彰
【献上刀】
満州国 皇帝陛下 刀一振
皇后陛下 短刀一口
蒙古 徳王 刀一振
【先代 四郎國光 最晩年の作】
喜劇王チャールズ・チャップリンは『あなたの最高傑作は?』と尋ねられると、決まって『私の最高傑作は次回作です』と答えたそうです。
名刀虎徹を破って『切れ味日本一』の称号を得、当時まだ現人神と崇められていた天皇陛下の佩刀にも選ばれ、刀工としての栄誉を極めた先代が、更にその技を磨き、魂を込めて鍛え続けた最晩年の作。
この刀に次回作が無かったとしたら、これこそ先代 四郎國光の真髄にして最高傑作と言えるでしょう。
【四郎國光 公式サイトでの販売価格】
三池住國天作之 平成二十三年十二月吉日
1,980,000円
三池住四郎國光作之 平成二十年一月吉日
2,420,000円
三池住四郎安光作 平成十五年一月吉日
2,200,000円 (在庫切れ)
三池住四郎安光作 平成十一年一月吉日
1,650,000円 (在庫切れ)
【即決価格・スタート価格について】
先代・当代、双方に敬意を表し、スタート価格を上記の合計と同額の8,250,000円とさせていただきました。
出品価格相応の価値を認め、ご理解いただける方の入札をお待ちしております。
【商品の状態について】
鞘は木製。
カーボン調のシートが貼られています。
カーボン模様には所々に毛羽立ちがあることから、プリントやエンボス加工ではなく編まれたもののようです。
鞘の梵字は印刷や描き文字ではなく立体的なパーツが貼り付けられたもので、片面は綺麗に付いていますが、反対側にはズレている部分があります。
鞘は『やや傷や汚れあり』の状態ですが、『商品の状態』は刀のみを指すものと考え、『目立った傷や汚れなし』としています。