自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので表紙など経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
父から子、子から孫へ。芸の継承の厳しさと親子の情愛、そして弟子たちの献身を、数多くのエピソードを交えてさわやかに描く
父・勘三郎の厳しい指導を深く心にきざみつけて、意欲的に様々な役に挑戦、名優への道を一直線に進んでいる勘九郎。今、その志は二人の息子・勘太郎と七之助に受け継がれようとしている。中村屋三代と親しい著者が、勘九郎の芸と人間性を、周囲の人々との心温まるエピソードを数多く盛り込んで爽やかに描く。
『連獅子』の稽古で勘三郎はうまく踊れぬ十三歳の子、勘九郎を何回も蹴落とす――中村屋親子三代に見た厳しい芸の世界と親子の情
目次
連獅子三代
髪結新三楽屋ばなし
兄は勘太郎 弟は七之助
兼ねる役者
花小袖
名馬
名優市川注射
四郎五郎と助五郎
小山三のこと
お七のような女たち
四谷怪談初日前
吉右衛門と蕎麦
御意見番弥五郎〔ほか〕
登場する方々
永井荷風 古今亭志ん生 中村弥五郎 中村玉三郎
菊五郎 戸板康二 中村勘三郎 中村吉右衛門
左團次 市川右團次 七之助 谷崎潤一郎 助五郎
四郎五郎 長谷川伸 三田寛子 松本幸四郎
白鴎 團十郎 勘太郎 鴈治郎 猿之助 猿翁
歌舞伎座 菊五郎 大川橋蔵 水谷八重子
仲太郎 市川一郎 李香蘭 山口淑子 山田五十鈴
尾上梅朝 勘之丞 花柳章太郎 鳳蘭 藤山勘十郎
ほか多数
レビューより
著者の知識と、実際に観てきた舞台の数に圧倒される。そのほとんどが自分で観たり、直接中村屋から聞いた話や言葉なので、彼女だけが書ける内容といっていい。そしてそのエピソードの素晴らしさは出色。先代の勘三郎が“蠅”に生まれ変わって……という話は、何度読んでも涙が出るほど素晴らしい。書き味も抜群。ものすごくよい本。
現勘三郎について、日常から芸までを、本人や家族、歌舞伎俳優たちとの会話から浮き彫りにしています。ただ、専門用語が随所に出てくるので初心者向けではないかも。