【詳細】
初版 笠井潔 エディプスの市 ハヤカワ文庫

1994年4月30日初版 早川書房発行

「ユウが愛しているのはママだけで、ママが愛しているのはユウだけだった」ドーム都市〈エディプス〉に住む少年は、誰もがみな母親と二人だけで暮らす。ユウとママもそうだった。二人は夜になると全裸で抱きあって眠った。ユウもその生活に満足していたのだがある日少女アイに出逢ってから、ユウの中にママへの憎しみが生まれた―未来社会の性の姿を鋭く描く表題作他18篇を収録。SFとミステリを横断する鬼才の全短篇。

笠井 潔
1948年東京生まれ。1979年、デビュー作『バイバイ、エンジェル』で角川小説賞受賞。1998年『本格ミステリの現在』編纂で第51回日本推理作家協会賞受賞。2003年『オイディプス症候群』と『探偵小説論序説』で第3回本格ミステリ大賞小説部門と評論・研究部門を同時受賞。2012年『探偵小説と叙述トリック』で第12回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞。現象学を駆使する矢吹駆が登場する『サマー・アポカリプス』『哲学者の密室』や伝奇ロマン『ヴァンパイヤー戦争』シリーズなど著作多数。評論においても旺盛な活動を続ける。

【状態】
経年劣化により焼け、カバーにスレ、傷は御座いますが、概ね良好です。
※読書カード、新刊案内完備しております。