コレクション整理品です。
1858年に製造されたAndrew Ross時代の風景用レンズ、Orthoskopです。RossではOrthographicと呼んでいました。Petzval博士が人像用と共に同時期に開発したOrthoskopですが、人像用のPetzvalレンズのリリースから16年ほど遅れて実際には一番最初にDietzler、次にVoigtlander、それ以外のメーカーで世に出ることになったレンズです。不運なPetzval博士のOrthoskopにまつわる話は大変有名です。
そもそもOrthoskop自体がどのブランドでも
非常に珍しいのですが、A.Rofs時代のものは完成から1年後にAndrewが直ぐに亡くなってしまったため、ほんの僅かしか作られませんでした。Thomas Ross時代のものもOrthoskopの生産自体を事業引き継ぎ後、直ぐに止めてしまったので、RossもののOrthoskopは玉数が非常に少ないです。
義理の息子はJ.H.Dallmeyer、子はThomas Rossです。
OrthograohicレンズはAndrew Ross が他界する前の晩年にJohn Dallmeyerの手助けの下、完成させたレンズです。
VoigtlanderのOrthoskopと比べ、若干暗く、whsのslotの位置もVoigtlanderのものが後群のレンズケースの後ろにaperture diskを装着させることに対し、RossやCC Harrisonものは鏡筒の中央から後群に近い位置にwhsのslotがあるのが特徴です。
レンズの状態
3群4枚のレンズは全てあります。
バルサム切れなし
コバ剥がれなし
同心円状のスレ傷や拭きスレ傷が写真の通り後群にありますが、全体として非常に透明で
さすがDallmeyerのお義父さんの品質といったところです。
前玉の開口直径 58mm
後玉の開口直径 37mm
座金の外径 96mm
全高 73mm キャップの高さを除く
バレルの状態
ラッカーがまだ残っている状態で
この時代のものとしては状態が良いです。
オリジナルの座金
オリジナルの前レンズキャップ
後群を守るプラ蓋
が付属します。
絞り板は付属しません。
カタログ上は15x12” をカバーします。
研究用に如何でしょうか。
中古のため新品同様ではありません。
古典レンズの性質をご理解頂き
ノークレーム、ノーリターンにてお願いします。