“だいじょうぶ、うまくいくわ”グレナ・ジョンソンは、深呼吸した。祖父の影響を受け消防士になる決心をしたのは、10年以上も前。23歳になった今、ようやくその夢がかなった。しかし、ここは保守的な南部の田舎町。初の女性消防士誕生に、人々の好奇の目が光る。消防署の入口にもまた、グレナ見たさに署員たちが集まっていた。だがそのなかに、ひとり平然とたたずむ男性がいた。たくましい腕と広い胸、謎めくブルーの瞳。グレナの入る第1シフトの隊長、リード・シェルダンだ。この人なら、私を無視しないで、1人前の消防士として認めてくれるかもしれない。ところが、彼が命じた初仕事とは…?