【詳細】
初版帯付set 笠井潔 哲学者の密室 カッパノベルス

上巻 1996年7月25日初版 帯付 新刊案内完備
下巻1996年7月25日初版 帯付 新刊案内完備

上巻
ユダヤ系財閥、フランソワ・ダッソー邸で滞在者ロンカルの死体が発見された。現場の三階東塔広間は施錠され、一階と二階には監視の目…つまり「三重密室」での殺人だった!残されたナチ親衛隊の短剣が意味するものは?そして犯人は?パリ警視庁警視の娘・ナディアが見守るなか、矢吹駆が現象学的本質直観による推理を披瀝、物語は三十年前に遡る…。

下巻
ダッソー邸事件は、三十年前の事件と共鳴する。ユダヤ囚人大量脱走があったコフカ収容所にも「三重密室」事件が存在していたのだ!―矢吹駆は、ふたつの事件に通底し、ユダヤ人大量殺戮の思想的根幹ともなったハルバッハの「死の哲学」に挑むことで、真相に迫る。二十世紀ミステリー最大級の収穫にして、推理小説を観念の高みへと到達させた問題作。

笠井 潔
1948年東京生まれ。1979年、デビュー作『バイバイ、エンジェル』で角川小説賞受賞。1998年『本格ミステリの現在』編纂で第51回日本推理作家協会賞受賞。2003年『オイディプス症候群』と『探偵小説論序説』で第3回本格ミステリ大賞小説部門と評論・研究部門を同時受賞。2012年『探偵小説と叙述トリック』で第12回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞。現象学を駆使する矢吹駆が登場する『サマー・アポカリプス』『哲学者の密室』や伝奇ロマン『ヴァンパイヤー戦争』シリーズなど著作多数。小説のみならず評論においても旺盛な活動を続ける。

【状態】
経年劣化により焼け、カバーにスレ、傷は御座いますが、概ね良好です。
※上巻のカバー背表紙部に若干折れ跡が御座います。