「月山」は、奥州出羽の月山で起こり、鎌倉時代から続く刀工の一派。月山鍛冶の最大の特徴は、刀身全体に広がる波のような模様「綾杉肌」にあるという。

今回のコラボウォッチには、代々受け継がれているその伝統の技が落とし込まれている。重厚感のあるチタン製のバンドを刀の茎(なかご/刀身の柄に被われる部分)に見立て、その中駒に、刀匠の月山貞伸氏が自ら「鑢目(やすりめ/刀身を柄から抜けにくくするため、中子に施す滑り止めの模様)」仕上げと、「銘切り(めいきり/作者の名前や製作年月日など、を鏨(たがね)という棒状の工具を槌で叩いて、茎の表面に切り込みを入れること)」を施した。

ベゼルは、新開発の再結晶化ハイブリッドチタンを使用することによって、月山刀の特徴である「綾杉肌」のイメージを表現。再結晶化ハイブリッドチタンは、月山氏の監修のもと、64チタンと純チタンを何層も重ねて再結晶化した素材だという。

ベゼルとバンド、裏蓋には、名刀の色合いとされる青味を帯びた鉄色を表現するため、新開発のブルーグレーのアーク式IPコーティングを施している。また、ケースは純チタンを再結晶化し、深層硬化処理とTiCコーティングで仕上げた。

職人技をぞんぶんに味わえる1本だ。(引用)