








26×18cm
【書名について】
表紙には『天水』とあるが、「裏表紙裏」【画像10参照】に「本書は天水秘抄也天水抄非ず」と断っていることと、《世界大百科事典 第2版》の記述に「連歌の刊本《天水抄》とは無関係。」とあることを併せると『天水秘抄』の方が良さそう。
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表紙→『天水 上下』但し、内題は「巻第一・巻第二」
表紙裏【画像2参照】
本書中曖昧之字ハ元本之儘写シ取リタルもの也
本稿?中誹諧ト記セシハ俳諧ノ謬リナリ
紙数卅八枚
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表表紙・裏表紙 1丁ずつ (丁付無し)
墨付(本文) 38丁
巻第一 1丁表【画像2参照】
巻第二 18丁裏【画像5参照】~38丁裏
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裏表紙裏
国文学大辞典 本書は天水秘抄也天水抄非ず【画像10参照】
朱筆で
昭和十四年九月廿六日夜一読後入朱筆畢已 【画像10参照】
本原入朱ナシ朱筆部全■?ニ筆也
【内容】《世界大百科事典 第2版》に依る。
俳諧論書。貞徳著。1644年(正保1)成立。秘伝書で刊本は存在しない。・・・・連歌の刊本《天水抄》とは無関係。・・・・
冊子本と巻子本があるが、前者によれば、
上巻は会の心得、連歌と俳諧の区別、俳諧の本質、式目、〈てには〉の口伝、
下巻は前句付、付け方、発句等の句の作法、切字、懐紙の書き方等を雑話風に記す。
貞徳の俳諧観や式目観を知るための絶好の資料である。【乾 裕幸】
【刊記等】
他本(写本)《早稲田大学図書館蔵本数種》の記述によると
干時慶安五(1652)年三月吉日 洛陽住 鶏冠井九朗右衛門尉良徳在判
『天水』本文(38丁裏【画像8参照】)に
元禄辛?巳(十四1701)年五月西山先生ヨリ一時軒授受ス
又享保十二戌未(1727)年九月北水先生ヨリ椎本芳室授受ス也
朱筆で
貞徳→良徳→西山→一時軒→北水→芳室
・元禄 ・享保
裏表紙【画像8参照】に
明治廿四年七月中澣 (ちゅうかん)写■?之
朱筆で
昭和十四年九月廿六日■?
【因みに】「秘伝」とされているので、巻末にはその授受の様子が示されている。
慶安五年スタートで、元禄→享保→明治→昭和と授受されていった訳である。
※全体的に、経年によるくすみ、汚れ、囓りあり。
※経年による紙の劣化、変色、斑点状の染み、多数あり。
※朱筆の書き込み多数あり。これは昭和十四年時のものと但し書きがある。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。