当方、LINN、naim audio、TANNOYなどの英国ハイエンドを辞めて、小型のフルレンジ や2ウェイを数多く所有し、その音色の違いを楽しんでおります。
フルレンジ はドイツの40〜60年代のアルニコの小口径がほとんどですが、国産の名機も永く愛用しています。
今回出品するpioneer pe12は、ご存じの方もいると思いますが、12センチユニットながら、38センチ級の超巨大なアルニコ磁石を使用した高級ユニットです。名機とされるpe−16が1974年頃に2530円だったのに対して、pe−12は1960年代後半頃に8500円で売り出されていました。この時代は物価の上昇が激しかったことを考慮すると、少なくともpe16の5倍以上の価格だったのです。今現在これを作ろうとしたら1本10万は下らないでしょう。
現在所有している多くのスピーカーの中でも、1〜2位を争うくらいの頻度でこのスピーカーに向き合ってきました。私はステレオよりもモノラルの音を好んでいます。歳のせいかステレオの音が疲れることもあるのです。このスピーカーはそれがステレオだと忘れさせてくれるほど、ナチュラルな音場を聴かせてくれました。スピーカーの音場形成は、そのバランスにおいて、大きく分類すれば、中央がやけに飛び出しているもの、左右に分かれすぎているものがあり、それほど極端でなくともそのどちらかに寄っているものが多いのですが、このスピーカーはそこのバランスが完璧と感じていました。中央も良し、周辺も良しで、情報密度のあるコクのある音場がそこに現れます。
これはこのエンクロージャーとの相性が素晴らしいのだと思っています。フロントバッフルが厚く、ユニット周りを削りホーンのように成形しています。箱の作りは非常に精度の高いものです。その佇まいの良さもかなり気に入っていました。ユニットを取り出す場合はフロントバッフルのネジを外し、付属の取手(10枚目の写真)をネジ留めし、水平に引き抜く必要があります。
小編成のシンプルな音楽はどのビンテージスピーカーでもよく鳴りますが、これは複雑な、大編成の音楽もその魅力を余す所なく再現してくれます。例えばビートルズの曲でいえば、アデイインザライフやマジカルミステリーツアー、トゥモローネバーノウズなどでしょうか。近年の音源でもとっても魅力的に鳴ります。また、小音量であってもステージは広いので、おもに深夜に聴かれる方にも向いています。ビンテージスピーカーのなかではかなりのハイパワーで、最大入力20wもありますので大きな音でも破壌することはありません。
出品に際して2時間ほど音楽に浸りました。もう少し手元においておこうか後ろ髪を引かれるおもいがあります。
アンプは最大出力の小さいものがおすすめです。最大出力の大きなアンプは全く必要ありません。ミニワッターでも十分です。
(2024年 12月 21日 17時 37分 追加)エッジにおがくずのようなものが付着していますが、そこには触らず現状のまま発送させていただきます。よろしくお願いします。
(2024年 12月 21日 19時 18分 追加)5枚目6枚目の写真で、エッジがないように写っていますが、写真のコントラストが強すぎて影になっている為です。実物は逆ロールのフリーエッジです。ご安心ください。