【1】概要
・1950年代に製作されたRFT/VEB のダブルコーンフルレンジユニット、 L 2153 PBK が天然木集成材後面開放型エンクロージャー(ROTE)にセットされたシステムのペアです。
・VEB は東独の音響製品制作組織でのちにRFT協会に統合され、その優秀な製品はヨーロッパ各地に出荷されていました。
・出品のL 2153 PBK は超軽量ダブルコーン、大型マグネットなど多くの技術的特徴を有しており、この時代のフルレンジとしては出色の再生可能帯域、高能率を達成している傑作です。
・マグネットの大きさは尋常でなく大きく強力です。
・このため太く強靭な低音が出てきます。
・音を聴くと古さは全く感じられず、シングルフルレンジから素晴らしい音楽が流れてきて驚きます。
・ユニットはストレスのない設計で、かつマグネットなどへの物量投入が功を奏し、JAZZ, クラシックを問わず満足度の高い再生音が得られます。
・能率は高いので中小出力の真空管アンプでもガンガン鳴ります。

【2】システム
・型式:RFT/VEB L 2153 PBK
・インピーダンス:6オーム
・口径:外形直径=200㎜
・コーン:ダブルコーン、フィックスドエッジ
・状態:良好。

【3】エンクロージャー:
・型式:後面部分開放型
・後面にも音が拡散されますのでスケールが大きな音が得られています。
・サイズ:幅27.6cm、高さ38.6cm、奥行22.5cm
・材質:天地側面は25mm厚の天然木パイン集成材、バッフル、裏板は針葉樹系プライウッドです。
・板厚、重量が有りますので不要な雑音は抑え込まれ、深くクリアな低音が安定して出てきます。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのナチュラルオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・サランネット:黒のジャージネットによる頑丈なサランネットが付属します。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出し線が接続可能です。
・バナナプラグ、極太ケーブルなどほとんどのタイプのスピーカー端子が接続可能な金メッキ金属削りだしのアダプターが付属します。

【4】音質
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・一聴してコーンがストレス無しに自由に動いている生き生きした音であることが分かります。
・マイルスディビスの1956年録音のPrestigeのマラソンセッション、4枚(「Cookin'」「Workin'」「Relazxin'」「Steamin'」)を聴きました。
・マイルスのトランペットソロ、コルトレーンの硬質なテナーサックスソロがスピーカーの前面に生々しく現れます。
・コルトレーンの10月録音の演奏は驚くべき技術とハートがあり感動します。
・またポールチェンバースのこの当時の最高のベースが弾むように出てきて音楽をスィングさせています。
・心地よい再生なので、4枚のCDを一気に聴いてしまいました。
・ECMの比較的新しいキースジャレットトリオの再生も満足できるものでした。
・アコースティックな音楽全般を透明感あふれる音で再生していると思います。
・点音源ですので位相特性が良く、大編成のオーケストラの再生においても、楽器の分離が良く、かつ奥行が良く出ます。


【5】ほか
・スタンドは含みません。
・ブログ
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_347256.html
・新刊のご案内
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_437929.html
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_439012.html