アン・フォーズは、姉のメアリーに無理やり誘われて、あるパーティーに出席した。しかし、そういう場が苦手なアンは会場の片隅から人々のようすを眺めるだけだ。ただし、その眺め方が普通とはちょっと違っていた。使い始めたコンタクトレンズの見え具合を確かめようとときどき片目をつぶっていたのだ。それをウインクと勘違いして人込みのなか、まっすぐアンに近づいてきた男性がいた。やり手弁護士のクリント・バローズだ。勘違いから生まれた出会い。けれどもやがて間近で見つめ合ったとき、二人は悟った。これは生涯一度の、運命的な恋になる、と。