◆商品名◆
ハンス・ホルバイン扉絵/装飾頭文字
『大バシレイオス全集』1531年刊
羊皮紙装丁/ルネサンス活字本
◆商品説明◆
『大バシレイオス全集』
ケルン;エウカリウス・ケルヴィコルヌス、1531年刊
4世紀のギリシア教父カイサリアのバシレイオスのラテン語版全集全1巻です。
版元のEucharius Cervicornusは1516年から1547年頃までケルンで事業を展開していた印刷業者・版画家です。
https://data.bnf.fr/fr/12263050/eucharius_cervicornus/
https://www.journals.uchicago.edu/doi/pdf/10.1086/602823
扉絵はハンス・ホルバイン(1497/98―1543)作の版画が使われています。
https://www.britishmuseum.org/collection/object/P_1895-1031-1010
下の段には乳房を毒蛇に咬ませ自殺するクレオパトラ、右列にはアイスクラピウスの顎髭を掴むディオニュシオスが描かれています。この絵は、バーゼルの有力な版元で、ホルバインをエラスムスなどと引き合わせたヨハン・フローベンの標題紙に使われることが多かった図案のようです。おそらくホルバイン作のユーモラスな装飾頭文字も印象的です。
J.-D. Passavant, Le peintre-graveur. Tome 3, p.405(https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k54707076)
ノンブルの誤植はありますが完本です。
見返しにはGiovanni Filippo Sertorio(1527年頃-1597年)の記名。イタリアはモデナの蒐書家だったらしいです。遊び紙の書き込みも同じ字体です。
https://archiviopossessori.it/archivio/879-sertorio-giovanni-filippo
装丁はおそらく刊行当時のヴェラム革総革装。革は使い古しの羊皮紙が二重に使われています。小口にタイトルが手書き。外装の状態は背の下端の花布欠。背の革の欠損二箇所。角の革の欠損。本文はインクのような濃いシミが数か所。古い時代の書き込みが数か所。巻末の余白に水シミ。全面が変色しているページがありますが、紙質によるものと思われます。ルネサンスの印刷本にふさわしく印字がいまだに黒ぐろと鮮明で、総じてコンディション良好です。
バシレイオス
Basileios(330ころ―379)
4世紀のギリシア教父。聖性のほとばしり出た「教父の黄金時代」を担う。大バシレイオスとよばれ、また、ナジアンゾスのグレゴリオス、弟のニッサのグレゴリオスとともに「カッパドキアの三つの光(カッパドキア三教父)」とたたえられる。小アジア東部カッパドキアの町カエサレアの由緒あるキリスト教徒の家柄に生まれた。コンスタンティノープル、アテネに遊学してギリシア古典の豊かな教養を積んだが、やがて、聖者たる姉マクリナMacrina(330ころ―379)の感化もあずかって修道に志す。シリア、エジプトの隠修士の下で禁欲的修行を行ったのち、故郷のネオカエサレアで修道院を組織。このとき、後世にまで範となった「修道規則」を共住修道士のために作成し、「修道院制の父」となる。また、ナジアンゾスのグレゴリオスとともに、オリゲネスの著作からの抜粋『フィロカリア』Philokaliaを編んだ。エウセビオス(エウセビウス)の要請でカエサレアの司祭にあげられ、その死後、主教となる。総じてクレメンス、オリゲネスの学統の継承展開として、ギリシア古典の受容に積極的姿勢を示しつつ、異端のアリウス派に対する論陣を張り、三位(さんみ)一体の正統教義の確立に尽くした。同時に、司牧、福祉、典礼の制定などの実践的活動に多大の足跡を残し、東方教会の伝統の礎(いしずえ)となった。著作に『エウノミオス駁論(ばくろん)』Adversus Eunominium、『聖霊について』De Spiritu Sanctoのほか、多数の説教、300通以上の珠玉の書簡が残されている。
(日本大百科全書(ニッポニカ)「バシレイオス」の解説)
子ハンス・ホルバインHans Holbein der Jngere(1497/98―1543) ハンス・ホルバイン(父)の次子。アウクスブルクに生まれる。父について絵を学び、のちハンス・ブルクマイアの感化を受けた。1515~26年バーゼルに滞在、この間にイタリア北部およびフランスを旅行し、またバーゼルの有力な出版者ヨハン・フローベンの紹介で人文学者エラスムスやその友人でイギリスの政治家トマス・モアを知り、2人の肖像画を描いた。その知遇を得て26年から2年間ロンドンで制作。28~32年ふたたびバーゼルに住んだが、その後ロンドンに渡り、36年以後はヘンリー8世の宮廷画家となって同地で生涯を終えた。
彼はデューラーに次ぐルネサンス的な教養人で、画業ではとくに肖像画に優れた。初期の作品『死せるキリスト』(バーゼル美術館)でみせた透徹した写実の眼光と卓抜な性格描写の手腕とを発揮して、『市長マイアーのマドンナ』(ダルムシュタット王宮)、『ロッテルダムのエラスムス』(ルーブル美術館)、『使節たち』(ロンドン、ナショナル・ギャラリー)、『ヘンリー8世』(ローマ国立美術館)などの傑作を生んだ。また58点の木版画『死の舞踏』も名高い。なお彼の夭折(ようせつ)した兄アンブロジウスAmbrosius H.(1494―1519ころ)も画家で、木版画の下絵、銀筆とペンのデッサンを多数残している。
(日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホルバイン(父子)」の意味・わかりやすい解説 )
本のサイズは写真では把握しずらいので、一緒に写している蛍光ペンとの比較においてご判断くださいませ。
当方が出品しております革装本はすべて、内外の図書館で採用されている処方(Brecknel Turner Saddle Soap、Klucel G、Talas Leather Dressing、SC6000等)でメンテナンスされておりますので、特別なお手入れなしでもしばらくご入手時の状態をお楽しみいただけます。
書名:D. Basilii Magni Caesariensis episcopi eruditissima opera, ...
著者: Basilius Caesariensis
出版社:Coloni[ae], Ex officina Eucharij
出版年:1531
言語:ラテン語
ページ数:[16], 375, [1] p.
外装のサイズ:30.5x20.5cm
状態:商品説明を御覧ください
◆コメント◆
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