接続手本
長岡鉄男氏の『世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーをつくる』に載っていたマトリックス・スピーカーを、DENON製のエンクロージャーを流用して、無指向性も取り入れて作ってみました。
上面の25mmハードドーム・ツィーターはパイオニア製。ダイヤフラムは樹脂製、マグネット部は不明、インピーダンス8Ω、最大入力は不明です。その奥の35mmコーン・ツィーターはメーカー不詳。コーン紙が紙製、センターキャップは樹脂製、マグネットは径32mm厚さ6mmのフェライト・マグネット、インピーダンス8Ω、最大入力は30Wです。これ等はパラレル接続し、4.4μFを挟んで、クロスオーバー周波数は1.6kHzです。
左右の8cmフルレンジがLS‐ESA5から取り外したケンウッド製。コーン紙が紙製、センターキャップは布製、エッジも布製で劣化の心配はありません。マグネットは径60mm厚さ12mmのフェライト・マグネットと、径65mm厚さ30mmの防磁型、インピーダンス4Ω。最大入力は20Wです。
左右の20mmハードドーム・ツィーターはDENON製。ダイヤフラムは樹脂製、マグネットは径25mm厚さ10mmの防磁型、インピーダンス6Ω、最大入力は20W、元エンクロージャー通り2.7μFと3Ωを挟んで、クロスオーバー周波数は4.6kHzです。
正面の8cmフルレンジはオンキョー製PD8197B。コーン紙は紙製、センターキャップは布製、エッジはゴム製ですが劣化の兆候はありません。マグネット部は径60mm厚さ24mmの防磁型、インピーダンス8Ω、最大入力は7.5Wです。
背面の8cmフルレンジはSSP‐UXV10より取り外したヴィクター製。コーン紙が紙製、センターキャップは樹脂製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネットは径45mm厚さ8mmのフェライト・マグネット、インピーダンス4Ω。最大入力は10Wです。
スタンド替わりのLS‐ESA5のエンクロージャーを通じて繋がっている下部のシステムは、オンキョーのサブウーファーSWA-L1をアンプ部を取り外して使いました。20cmウーファーは、コーン紙は紙製、センターキャップも紙製、エッジはゴム製ですが劣化の兆候はありません。マグネットは99mm厚さ20mmと径60mm厚さ8mmの超巨大ダブル・フェライト・マグネット、インピーダンスは12Ω、最大入力は25Wです。
左右と中央の2個づつのフルレンジはパラレル接続し、それと下部のウーファーとパラレル接続してあります。センターウーファー出力が可能な方は、単独で使えるよう接続は外付けターミナルにしました。
試聴では、ペダルトーンで埋め尽くされているJ.S.バッハのペダル練習曲BWV598(手持のテストCD;トン・コープマン:1734年製ミュラー・オルガン;アムステルダム;最低音36Hz)を、見事なバランスで鳴らしました。この曲は勿論足鍵盤の練習用でもありますが、当時最高のオルガン・コンサルタントでもあったバッハが、すべてのパイプがちゃんと鳴っているかどうかのチェックをするための曲でもあり、スピーカーにとっては、低域に変なピークやディップがないかどうかのテストとしても使える便利な曲です。もちろん変なピークやディップはありません。
本格的試聴では、J.S.バッハの前奏曲とフーガハ短調BWV546(手持の最強テストCD;トン・コープマン:ミュラー製作オルガン1734;最低音32Hz)の最初のCのロングトーンを、20cm並みの大音量でもしっかり鳴らしましたが、メガ・スワン・クラスには流石に及びません。
本領発揮はやはりオーケストラ!無指向性の音場の広がりは見事で、眼を閉じれば左右にスピーカーが有る様に錯覚します。フルトヴェングラーやクレメンス・クラウス等、’50年代のモノラル録音では、特に威力を発揮します。
長岡氏の注意書きに、サンスイの10万円クラスの中級アンプや、超高級アンプなどにある『バランス式』と呼ばれるアンプには使えないようです。アンプに被害が及ぶと言われています。
外観は概ねキレイです(下部の裏板以外)。 重さ14.1kg、サイズは29×78×40cmです。発送は140サイズに収まるよう、3分割して行います。