大変レアーな作品です。
いわゆる「彫り物」と呼ばれている作品で、スージークーパーの作品の中では異色の存在です。
直筆サインで「Susie Cooper」と裏側に刻まれています(15枚目の写真、釉薬が厚くかかっていて、写真に写り難いですが、肉眼でははっきりと確認出来ます)。

英国陶芸家(デザイナー)スージークーパーの若い頃(1930年、28歳)の作品です。
バックスタンプが手書きのサインですので、グレイ社から独立(1929年)した直後の若々しいスージーの勢いを感じさせる作品です。
1930年頃の作製で、作品数は限られています。

「彫り物」と呼ばれている作品群で、彫り込まれたデザインは数種類あり、チューリップなどの花、フォックスやリスなどの動物が描かれている作品があります。
ここにご紹介する作品は、スージークーパーのトレードマークである「リーピング・ディア(跳ぶ鹿)」のホワイトアイボリーのウォータージャグで花びんとしても使われていました。

スージーの解説図書「スージークーパーのある暮らし」(飯塚恭子著)にも、この作品の色違い(シェイプと絵柄は同じ)が紹介されています。(8枚目の写真)。

大きさは、
高さ21.5cm、口先~ハンドルまで16cm、胴回りの直径15cm

作製年代は、
このバックスタンプの手書きのサインから1930年頃に作製された作品と思われます。

コンディションは、
約90年も前の作品ですが、ひび割れや欠けはなく、素晴らしいコンディションです。
また、アースンウェアのヴィンテージですが、貫入も見当たらず(裏側にわずかにあり)、目立った汚れや擦り傷もありません。
作製時からの色ムラや凹凸、黒点などもほとんど見当たらず、コンディションは極めて良好です。

価格はリーズナブルにしたつもりです。彫り物は現存数も限られており、1990年代後半の一時期は、この作品には20万円の値が付けられていました(最後の写真:関連図書「スージークーパーのある暮らし」(飯塚恭子著)より)。

スージークーパーのコレクターさんに是非お勧めしたい、大変レアーな逸品です。


【TA】
No.1790