ガブリエル・クレイトンは、ニューヨークで株式ブローカーとして働いていたが、株の大暴落の影響を受けて会社を解雇されてしまった。今まで住んでいた高級アパートメントの家賃ももう払えない。もっと安いアパートメントに引っ越さなければ。やっとの思いで手頃な部屋を見つけたもののその建物の改装をしているポール・リードが仕事がすむまで共同生活をしてくれないかと言ってきた。経済的だし、単なる短期間のルームメイトよ―。ガブリエルはそう自分に言い聞かせたが、心のどこかで気づいていた。私は彼に惹かれているんだわ。素姓も知れない人なのに―。