あの男性がダンテ・デアンジェロ警部補だったなんて!弁護人席で、タラは思わず声をあげそうになった。男嫌いで通っていたタラが初めて心ひかれた男性が、証言台に立っている。それも、検索側の証人として…。殺人犯ジミー・バーカーの弁護は、国選弁護人になったばかりのタラにとって、最初の大仕事。なんとしても、不起訴にもっていきたい。そのためには、バーガーを心神喪失と主張するしかない。タラは反対尋問のために立ち上がった。この裁判が自分の運命を大きく変えることになろうとは、そのときタラは想像もしなかった。