商品説明 |
| 千代紙文様/定価20000円/広瀬辰五郎/千代紙は極めて庶民的な感じを受けると同時に婦女子の愛好するものというにふさわしいものである
昭和54年 定価20000円 254P 36vm×26㎝の大判です。部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
「千代紙の名称は、文化十二年に文献に出ているが、それ以前からあったであろう。 和紙に種々様々な文様を木版色刷りにしたもので、この紙を用いて、また様々な細工物をする、千代紙で雛人形を作ることも、古くから行われ、小箱や、玩具に用いられている実例 も多い、總称して千代紙細工といい伝えている。
紙に文様を描いて装飾化することは、極めて古いことである。またその紙が他の用途目的 に用いられている実例は、掲げるにいとまがない程である、本願寺伝来の三十六人集の歌集にも、様々な地文様が描かれている。中・近世を通じて、色紙や短冊にも、地文様の描かれ ている実例は多い、又香包みの用紙にも装飾に工夫を凝らしたものがある
千代紙以前の千代紙と言うと最初は奇妙に聞かれるかもしれないが最初は奉書に絵の具を薄くぬり、肉筆で文様を描いたものが上方(京都)で行われ、これに和歌を書いたり、文箱に はりつけたりしたのであるが、これに江戸の錦絵屋が着目し版画の技法を用いて、印刷して 売出したのが千代紙のはじめである、千代紙版画の図案は、当初浮世絵師が描いたのである が、その為に江戸時代の浮世絵のように、絵師の落款や検印の認められるものがある。この 種のものには、千代紙といっても、芸術的な香りのするものがあり、検印のあるものを蒐集 すれば、現代にも高度な装飾性、芸術性を評価するに充分なものがあり、興味あるアイデア の一つといえるが、何故か千代紙といえば、婦女子の愛玩するものという、前提的な受けと め方が支配する為か、いまだに千代紙の名品蒐集には、あまり努力が払われていない。
しかし千代紙は、極めて庶民的な感じを受けると同時に、婦女子の愛好するものというに ふさわしいものである。 しかし木版で容易に印刷して、広範囲に売出す時点では、文様も種々様々、実に多様とい えるであろう。本図集に掲載の千代紙を見ても分るように、牡丹の花あり、菖蒲、鉄線、菊 の花、松藤、すみれ、なずな、なでしこ、桜、紅葉や、尾花、女郎花、其他枚挙にいとまが ない。また植物草花に限られてはいない、流水、みるの丸文様、鳥蝶、金魚、雪の結晶もあ る。編や針編、時としては名物裂の文様もある。特に麻の葉や万字つなぎ、小紋、石畳、 鹿の子などは普及版のように多く度々見掛けるが、比較的珍らしいのは墨流しの文様である。 (第一四五図~一五一図)
江戸千代紙が一般に普及したのに対して、京都では上方風をテーマにした千代紙を、明治・ 大正期に製作している。本図集の第一五三図~一六五、二〇三~二二五上図等が、その典型 的な実例で、図案に文芸的な雰囲気が漂い、優美典雅な感覚を表出している。 いずれにせよ、千代紙は文様の宝庫であり、伝統的、貴族的な文様に限らず、庶民的生活 の中から生れてきた様々な文様が、あますところなく、また屈託のない気分で描かれている。 千代紙には自由な文様表出の世界を、うかがいみることが出来るであろう。
おわりにこの図集を刊行するに当って、御秘蔵の資料を、御提供頂いた、徳力家に対し、 深く謝意を表します。 (注1) 『大江俊定記』に「千代紙百枚」と記されている。 昭和五十四年八月
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